昇華転写プリントについて
昇華転写プリントとは
専用の転写紙に昇華インク(水性の分散染料インク)でデザインをプリントし、プレス機で転写紙とポリエステル生地を密着させ、熱と圧力を加えます。熱と圧力を加えることで、昇華インクが気体になり(=昇華)、ポリエステル生地の繊維にデザインが転写されます。
デザインデータを準備します。
転写紙にミラー(反転)プリントをします。
転写紙と生地を密着させ、プレス機で熱と圧力を加えます。
生地にデザインが転写されます。
発色が鮮やかで細かいデザインや文字の再現性も高く、グラデーション表現にも向いています。色数の制限も無く、デザインの自由度が高いプリント方法です。
ポリエステル繊維にインクが染みこむので、生地そのままの風合いを残すことができ、機能性素材や撥水・防汚加工の生地への染色も可能です。素材の機能も損なわれません。
製版を必要としないので、デザインの変更が安易で版代もかかりません。
また排水が出ず、従来の染色方法にくらべCO2排出量や電気消費量も抑えられる、『環境にやさしいプリント方法』です。
プリントの手順
- デザインデータを用意します。psd、ai、eps、tiff、jpgなどの形式でご準備ください。
- 大型プリンターを使い、専用の転写紙に昇華インク(水性の分散染料インク)でデザインをプリントします。
- 輪転式のプレス機に②の転写紙とポリエステル生地を通します。熱と圧力を加えることで昇華インクが気体になり(=昇華)、ポリエステル生地の繊維に色が染みこみます。
メリット
- 発色が鮮やかで、グラデーション表現に向いている。色数の制限もない。
- 製版を必要としないため、デザインの変更が安易で版代もかからない。
- 機能性素材や撥水・防汚加工の生地へのプリントが可能で機能も損なわれない。
デメリット
- ポリエステル生地に限られる。(T/Cではポリエルテルのみ染色される)
- 生地の色の影響を受けるため、濃色生地へのプリントは不向き。
- アイロンや乾燥機などで高熱をかけると再びインクが気化し、色落ちや色移りが起こる場合がある。
- 生地によっては、縫製時に糸返り・折り返しによる白目が起こる場合がある。
取り扱いについて
- 必ず一反どり裁断をお願いいたします。
- 縫製については下記をご留意ください。
- ミシン糸は紡績糸はさけ、ポリエステル・フィラメント糸の60番~50番を使用してください。
- ミシン針は織糸ひけに注意しながら針を決めてください。
- ミシン調子は抑え圧を低くし、テフロン押え金を使用してください。針板の針穴は直径の小さなものをおすすめします。
- 縫い目は14~16針/3cm程度の粗い目が適当です。
- ミシン速度は3000針/分程度が適当です。
- プレス・プリーツ加工は次のとおりお願いします。
- 取り扱い絵表示は次のとおりお願いします。
一般仕上げ・一般プレス(中間プレス・仕上げプレス)
乾熱アイロン
あて布あり 120℃(弱)
あて布なし 110℃
スチーム噴射式
使用不可
プリーツ加工
乾熱機械プリーツ紙にはさみ130℃
※予備試験を必ず実施してください。紙は完全に冷却してからはがしてください。
※予備試験を必ず実施してください。紙は完全に冷却してからはがしてください。
機械プリーツ → 蒸熱セット 使用不可
ハンドプリーツ → 蒸熱セット 使用不可
洗濯の際は中性洗剤を使用してください。
絞らないでください。
アイロンの際はあて布をしてください。